勇者の血を継ぐ末裔で、勇者姫と呼ばれている。
イラは、魔族戦争での魔族討伐において凄まじい戦果をあげ、
魔王ゾーラとの戦いでは死闘の末にとどめを刺し、勝利した。
民衆からの人気が非常に高く、元老院議員たちがこぞって自身の
人気とりのために彼女を闘技大会に出場させるほどである。
イラは、魔族に滅ぼされた辺境の村の唯一の生き残りであり、
ドラグナ修道院長エレアに助けられ、修道院で幼少期を過ごす。
修道院でタスカと出会い、二人はエレアの指導によって、
修行の日々を送り、イラはそこで勇者としての力を開花させた。
帝国から魔族討伐令がだされ、時代が魔族戦争に突入すると、
イラはタスカと共に帝都グラに向かい、討伐に参加する。
それは、イラがちょうど16の歳になるころだった。
イラの活躍ぶりは、すぐさま執政官ドローソスの目に留まり、
「勇者姫」の称号が与えられると、民衆に広く認知される
ようになった。
イラの力は圧倒的で誰も彼女を止めることはできなかった。
たとえ敵が大軍であろうと、魔力をこめた剣の一撃で、
甚大な被害を与えることができたからである。
人前では常に勇敢に振る舞い、素顔を見せることがほとんどない。
彼女をつき動かしているのは、魔族に対する強い恨みであり、
その心には幼少期の悲しい記憶が眠っていた。